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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向

1. 野菜等個別成分のヒトにおける機能性研究

e. 食材の食経験と安全性について(植物中の有毒物質との関連)

野菜や果物などの食材は、食経験があるから安全と考えられています。その安全性は、植物の摂取部位、摂取量、調理方法を含めて判断したものです。最近、海外のある地方で食べられているという事実だけで、その植物等の成分を含んだ製品の安全性をアピールしているものがありますが、これは食経験という言葉を拡大解釈しています。これまで食べられてきた食材であっても、適切な調理法、摂取部位、摂取量を無視してしまうと食中毒を起こす可能性があります。また、安全な植物と誤認して有毒物質を含有した植物を摂取したことにより食中毒を起こした事例もあります。以下はその事例です。

1)有毒物質が含まれているため該当部位を摂取しないなど注意する事例

・[ジャガイモ]: 発芽した芽の部分、緑化した部分に有毒成分であるグリコアルカロイドのソラニンやチャコニンが含まれており、それらの部位を一定量以上摂取すると数時間で腹痛、嘔吐、めまい、痙攣、などを起こします。このグリコアルカロイドは熱に強く、通常の家庭の調理では分解されません。小学校の授業で栽培した未成熟なものを食べて食中毒を起こした事例があります。

・[ビルマ豆、バター豆]: 有毒成分である青酸配糖体のリナマリン(フォルゼオルナチンともいう)が含まれることがあり、そのような豆を摂取すると消化不良、嘔吐、痙攣を起こします。食用の豆類はシアン化合物が検出されないこととされています。

・[ウメ、モモ、アンズなどの未熟果]: 未熟果の種子に有毒成分である青酸配糖体のアミグダリンが含まれており、摂取により嘔吐、痙攣、呼吸困難を起こします。

2)有毒成分を含むため間違えて食べないように注意する事例

・[チョウセンアサガオ]: 種子がゴマ、またゴボウと誤認されることがあります。葉や種子には有毒成分であるヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンが含まれるため、摂取後1時間以内に頭痛、嘔吐、散瞳、痙攣、心悸亢進を起こします。

・[ハシリドコロ]: 新芽がフキノトウなどと誤認されることがあります。葉、根茎、根に有毒成分であるヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンが含まれるため、摂取後30-60分で散憧、心悸亢進、呼吸困難等になります。ハシリドコロの名前は興奮期に走り回ることから付いたといわれています。

・[スイセン]: ニラと誤認されることがあります。主に根、また葉に有毒成分であるシクトキシンが含まれるため、吐き気、嘔吐、下痢を起こします。

なお、東京都福祉保健局作成のパンフレット「身近な有毒植物」に詳細な内容がわかりやすく紹介されています。
「身近な有毒植物」(PDFファイル):http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/koho/shokuhin/pamphlet/files/dokushoku.pdf

(文責 梅垣敬三)


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a. 野菜等のヒトにおける機能性とは |  b. 野菜等に含まれる機能性成分の研究結果の現状 |  c. 野菜成分等の機能性研究結果の解釈 |  d. 野菜等の機能性研究結果の食生活への適用 |  e. 食材の食経験と安全性について

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