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疫学研究でみる野菜・果物摂取と健康の関係

野菜・果物を摂取する意義は第1には栄養素の給源としての役割があり、第2には私たちの食事を豊かなものにする役割もあります。わが国には固有の食の伝統を基本として、海外からの様々な調理法や食品を取り込み、人々の工夫によって独特の食の文化が育まれてきました。また各家庭や地域にも個性豊かな食が存在します。この中では、野菜・果物は重要な役割を果たしています。

食事におけるこうした野菜・果物の役割に加えて、近年では野菜・果物に新たな機能(これを第三次機能といいます)が期待され、様々な研究によって実証されるようになってきました。このページでは、この中から野菜や果物の摂取と健康の関連についての研究結果を紹介いたします。研究として取り上げたものは、人を対象として実証を試みる、疫学研究です。

疫学研究に一般に使われる方法には相関研究、横断研究、コホート研究、患者-対照研究、介入研究などがあります。このページでは野菜・果物摂取と健康の関連をみる疫学研究としてコホート研究と患者-対照研究を主に取り上げましたが、介入研究も取り上げました。

コホート研究は大きな集団を対象とし、特定の疾患の発症率と食生活の関連を観察するものです。このうち、過去の食生活を調査して、疾病の発症との関連を明らかにする場合(後ろ向きコホート研究といいます)と、現在の食生活を調査しておいてその集団のその後の疾病発症を明らかにする方法(前向きコホート研究といいます)があります。過去の食生活の調査では、調査できる内容に限度があり、また不確かな部分がありますので、調査としては前向きコホートの方が信頼性が高いといえます。しかし、前向きコホート研究は数年から十年以上もの時間がかかり、その間に対象者の動向をしっかりと把握しなければなりませんので、研究を進めるには多くの時間と労力が必要ですが、得られた結果は我々に重要な示唆を与えてくれます。そこでこのホームページでは主に前向きコホート研究を取り上げました。

患者-対照研究では、特定の疾患にかかった患者とその患者と種々の条件が一致しているその疾患をもたない対照者を選び、 食生活を比較するものです。コホート研究に比べて少ない対象者で短時間に調査が可能ですが、結果の信頼性は研究デザインによって異なります。

図1
2003年から2008年までの野菜摂取に関する主要な疫学研究の変化
2003年から2008年までの野菜摂取に関する主要な疫学研究の変化

図1にはこれまでに調べた野菜摂取と健康の関係についての疫学研究のうち、とくに重要な分野の研究の変化を示しました。全体的には野菜や果物摂取に関する疫学研究は増加しています。2007年までは疾患としてはがんに関する研究が最も多く、心臓疾患がこれに次ぎ、その他の疾患については僅かでした。最近では血圧と野菜・果物摂取に関する研究がやや増えてきました。2008年にはこうした傾向が急激に変化しました。2008年には野菜や果物の摂取に影響する因子や介入方法に関する研究が急増し、がんに関する研究は大幅に低下しました。同時に日本人に関する研究も増えてきました。2009年は少し元に戻りましたが、2008年からの変化が続いています。


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