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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向

4. 野菜に含まれる個別成分の機能性に関する研究調査

f. 動物を使った研究データの見方・考え方

動物を用いた基礎実験から得られたデータの中には予想以上に有望な結果を示したものが少なくありません。例えば、培養細胞を使った試験管レベルの実験や、病態モデル動物を用いた実験において、いろいろな疾病の治療もしくは予防効果を示す野菜成分の報告は少なくありません。しかし、これでヒトの病気に効くということにはなりません。ある野菜の成分や素材が疾病予防作用や改善作用を有するかどうかは、あくまでもヒトを対象とした臨床試験や疫学的研究で証明されなければならないのです。試験管で培養された細胞を使った実験やマウスやラットなどを使った実験でたとえ良い結果が得られたとしても、それはあくまでも参考資料にしかなりません。その結果をそのままヒトに外挿することはできないのです。

ヒトと動物の間の溝、「種差」の存在を強烈に明示した事件として、サリドマイド剤による奇形があります。このような有害作用はサルを使用した毒性試験によってはじめて知ることができ、他の動物では十分に検知できません。といっても、サルが万能であるともいえません。例えば、ナロルフィンやペンタゾシンはモルヒネの仲間で強力な鎮痛作用をもっていますが、これらは表に示すようにサル(ブタオザルもしくはカニクイザル)にはあまり効きません。これに対し、マウスではヒトとほぼ同等の鎮痛効果を示すのです。

鎮痛作用の比較
薬剤マウスヒトサル
モルヒネ鎮痛効果あり鎮痛効果あり鎮痛効果あり
ナロキソン鎮痛効果あり鎮痛効果あり鎮痛効果なし
ペンタゾシン鎮痛効果あり鎮痛効果あり鎮痛効果なし

(文責 篠塚 和正)


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