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疫学研究で見る野菜・果物摂取と健康の関係

1. 野菜摂取と健康の関係

g. まとめ

野菜摂取と疾病との関連については、ここで取り上げましたもの以外でも研究されています。口腔・咽頭、食道、膵臓、膀胱、腎臓などのがん、骨粗鬆症、白血病、糖尿病、白内障、喘息、脳卒中、アルツハイマー、あるいは妊婦の健康状態などとの関連をみたものがありますが、研究例数が十分ではありませんので、省略しました。今後新たな研究が行われましたら、追加していきたいと考えています。

これまでに示しましたように疫学研究の結果は必ずしも全てが一致するとは限りません。野菜や果物の摂取量が適切に把握されていない、野菜や果物より強い影響をもつ因子があり、それが予測できなかったり、対象者の選択が不適切であるとか、様々な要因が研究結果に影響してきます。従って、1つの研究結果だけで判断することはできません。複数の研究が行われ、多くの結果が一致してくると始めてその影響が研究者に認められることになります。

今回は比較的多くの研究があり、信頼性の高い研究に限って紹介しました。しかし、あわせて野菜の効果に否定的な研究も紹介しましたが、それだけを取り上げて野菜を食べる必要はないなどと結論しないで下さい。これからも新しい研究データをこのサイトでご紹介していきますので、科学的な目で研究データを見るようにして下さい。

いずれにしましても、これまでの研究の結果は野菜・果物を多く摂取することは、私たちの健康維持にとっては有用であることを示しています。最近米国のがん学会の記者発表では米国では近年がんの死亡率は低下しつつありましたが、死亡数ではわずかながら増加していました。ところが2003年では過去70年間で初めてがんによる死亡者数が減少し、今後も継続する可能性があるそうです。米国の「Five a day」の運動だけが原因ではないでしょうが、野菜・果物消費の増加もその背景にあることは間違いはないでしょう。残念ながら、食料需給表ではわが国の野菜消費は減少傾向にありますが、2005年では少し増加の気配も感じられます。他方において、「健康日本21」での健康目標にはほとんど改善がみられていないのも現実です。多くの皆様が野菜の重要性を認識して、健康な食生活を送られることを期待したいと思います。

(文責 池上幸江)


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