野菜等健康食生活協議会事務局は2013年3月31日をもちまして解散いたしました。このコンテンツは、それまでのアーガイブになります。


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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向

1. 野菜等個別成分のヒトにおける機能性研究

c. 野菜成分等の機能性研究結果の解釈

これまでの野菜成分の機能性に関するヒト試験は、病気に対する予防効果を明確には示すことができていません。この原因としては、表1のような事項が考えられます。

表1 機能性の研究において一定した結果が得られない要因

  • 野菜の機能性には未知の成分が関与?
  • 野菜中の各成分の複合的な作用が機能性に関与?
  • 各研究に利用した野菜成分の品質等が異なる?
  • 研究に参加した被験者の違い(遺伝的素因、栄養状態、性別、年齢など)?

日常摂取している野菜等の成分であっても、単一の成分の過剰摂取は、他の成分の吸収に影響を与える可能性があります。例えば、植物ステロールには血清コレステロールの低下作用がありますが、植物ステロールの摂取は血液中のβ-カロテン濃度を低下させることが報告されています(11)。また、カロテノイドの体内吸収には、食物の形態等が大きく影響することも知られています(12)。野菜等の加工は、その中に含まれるある特定の成分の生体利用性(吸収率)を高めることが知られていますが、加工という処理は、野菜等に含まれる他の有用な成分を除外していることも認識しなければなりません(図3)。さらに、野菜等の中にはβ-カロテンのような既知の成分以外に、未知成分が多く存在し、それらがより優れた機能性を持っている可能性もあります。

図3
野菜等の加工と含有成分の生体利用性の関係
野菜等の加工と含有成分の生体利用性の関係

(文責 梅垣敬三)


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a. 野菜等のヒトにおける機能性とは |  b. 野菜等に含まれる機能性成分の研究結果の現状 |  c. 野菜成分等の機能性研究結果の解釈 |  d. 野菜等の機能性研究結果の食生活への適用 |  e. 食材の食経験と安全性について

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