VOL.7 第3回 5 A DAYシンポジウム開催(2004年1月14日〜15日 ベルリン)
  ファイブ・ア・デイ協会(5 A DAY)が設立されて4ヵ月目にあたる2002年11月14日。東京全日空ホテルで食と健康に関係する専門家が一堂に会し、設立記念フォーラムが行われました。

●各界有力者が協会設立にエール
  設立記念フォーラムには、愛知県がんセンターの富永祐民総長をはじめ医療・栄養関係の学界関係者、江上料理学院の江上栄子院長など調理界関係者、さらにはスポーツジャーナリストの中西哲生さんとそうそうたる面々が集まり、ファイブ・ア・デイ協会の設立と今後の発展にエールを送っていただきました。
  また、5 A DAY運動の発祥国アメリカから、民間の運動推進母体となっているPBH(農産物健康増進基金)の開発担当ディレクターであるフランシス・タコンヌ・グリフィスさんがこのフォーラムのために来日され、アメリカにおける5 A DAY運動を紹介するとともに、「カラーウェイ」のコンセプトなどを説明していただきました。
  また、愛知県がんセンターの富永総長からは基調講演をいただき、野菜や果物とがんの関係を解説いただくとともに、がんを予防する食事についてお話ししていただきました。

●設立記念フォーラムのスピーチより
  江上料理学院 院長 江上栄子
  日本における5 A DAY協会の設立、そして記念フォーラムの開催、おめでとうございます。料理教室の運営や食に関する製品開発などにたずさわっておりますと、日本の食生活は今後どうなっていくのだろうかと心配になります。
  今、子どもたちの給食は、野菜料理を含め、食べ残しが大変多いということでございます。残す理由は「食べたことないもん」だそうです。
日本は元来農業国で、豊かな大地、恵まれた気候により農作物がたくさん採れ、日本人の食が成り立っていたわけでございます。まさに、健康的な食生活を謳歌していた国民だったのです。5 A DAY協会の設立を機に、野菜や果物を取り入れた健康的な食を学び、私たちの食生活、そして未来を担う子どもたちの食生活を変えていこうではありませんか。

【5 A DAY History vol.1】
80年代、アメリカはがんと心疾患の削減に必死になっていた

 今年(2005年)の国際シンポジウムに参加したアメリカ農務省のボスト次官は、アメリカにおける5 A DAY運動の歴史を振り返り、「1988年、アメリカでこの年120万人ががんでなくなり、50万人が心疾患で亡くなりました」と発言しています。
  当時、いかにがんや心疾患による死亡が深刻で、その対策が重要な課題であったかを伺わせる話です。
アメリカでは、1970年代から食生活とがんとの関係に関する研究が盛んで、1980年代後半には禁煙やアルコール摂取を控えることでがんがかなり削減できる、あるいは野菜やフルーツの摂取促進で、同様にがんが削減できることが疫学調査等で判明していました。
  ボスト次官の話では、当時の政府はがんや心疾患の予防のために、野菜や果物の摂取を増やすための健康増進運動の必要性を痛感していました。そこで、健康増進運動として5 A DAY運動を立ち上げることを決定、民間企業にも要請をし、農務省とNCI(国立がん研究所)、民間団体をとりまとめた推進機関PBH(農産物健康増進基金)による5 A DAY運動がスタートしたのです。

<参考資料>
食事スコアと慢性疾患による死因の関連(RR)※
死因
スコア1
スコア2
スコア3
スコア4
統計的有意
全てのがん
1.00
0.82
0.75
0.60
P<0.001
虚血性心疾患
1.00
0.75
0.70
0.67
P=0.03
心臓発作
1.00
0.76
0.54
0.58
P=0.02
その他の死因
1.00
0.92
0.71
0.83
P=0.04
※:死因に影響する因子の補正を行っている
上表は、米国でのコホート研究(疫学調査の一種)のひとつで、67,272人を対象に、12年間観察した結果をまとめたものです。
スコアの最も低いグループ(スコア1)では、野菜は1日3.3皿の摂取、最も高いグループ(スコア4)では、1日5.3皿を摂取しています。
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