ファイブ・ア・デイ事務局長 入谷靖子の社会視点で見る食育

  • 食育 その他 1日5皿の野菜を食べよう!「5 A DAY」とは自身の食生活の簡単なメジャー

    2012年5月25日

    ファイブ・ア・デイ協会は、平成14(2002)年に非営利団体として活動を開始しました。平成17(2005)年6月に、「食育基本法」が制定される3年前のことです。

    団体の名称である「ファイブ・ア・デイ(5 A DAY)」とは、1991年にがんや生活習慣病の対策として米国でスタートとした、野菜を中心とした健康食生活を表す「1日に=a day、5皿=fiveサービング の野菜(350グラム)と、果物200グラムを食べよう!」を意味します。 簡単に説明するとしたら、低脂肪で食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養が含まれている野菜を1日5皿分程度食べることにより、1日に食する食材の量的バランスを概ね維持できる、という選食のための目安指標です。

    残念ながら、まだ日本においてこの言葉の認知度は高くはありません。しかし、世界的にみると、日々の食習慣を野菜中心に心がけることにより生命に関わる病気などのリスクを軽減する効果をもたらし、ひいては国家の医療費削減へ寄与することにつながります。また、野菜等の消費拡大による農業活性化の有効的な経済対策としても、関係省庁や学識者が注目する世界的な食育推進活動なのです。

    現在、世界30カ国以上での展開が報告されています。 参考までに、皿数の目安をお伝えしましょう。例えば「ほうれん草のお浸し」や「きんぴらごぼう」などの小鉢に入った料理1人前を1皿(サービング)とし、野菜たっぷりのメインディッシュ(野菜炒め)などは、2皿(サービング)分を指します。グラム計算ではなく、目でみた量で「1皿」もしくは「2皿」の足し算をし、1日の合計が「5皿」になれば理想的、という換算がその基本的な考え方です(摂取目安量は各国で異なりますが、カウント方法のコンセプトは共通しています)。 ※5 A DAYの1日に必要な野菜・果物の摂取目安量は、厚生労働省・農林水産省の指標と連動しています。「1日5皿の野菜を食べよう」は、厚生労働省・農林水産省が推奨しているメッセージでもあります。

    当職に携わる前の私の食生活は、仕事に追われて食べることは二の次という状態。野菜をまったく食べない「ゼロ・ア・デイ」になる日も多々ありました。また一方では、ダイエットやそれに類する情報に気ままにのっかり、そのうち忘れてしまうという始末……。しかし現在は、職務を通じて食に関する基礎的な知識を得たことにより、食生活のシンプルな“芯”のようなものを理解できた気がします。 5 A DAYは、シンプルに考えて食生活にとり入れていただければよいと私は考えます。

    「体は食べ物でつくられる(原因と結果)」「野菜中心の食生活はほとんど低カロリーでバランスがよい(モデル実例と検証)」、この2点を押さえておけば、5 A DAYを実践することはそう難しくはありません。「どの野菜がよいのだろう?」「どのようにグラムを数えたらいいんだろう?」などと考え込むのではなく(そちらは専門家にお任せしましょう!)、さまざまな色の野菜を多様な調理方法で適量とればよいのです。

    たとえば、「昨日は深夜まで仕事をしていて、コンビニのおにぎりと野菜炒めだけで食事を済ませたから2 A DAYだった。でも、今日は昼にも野菜料理をとり入れて5 A DAYを目指そう!」などと食生活を振り返ることで自分なりの基準がわかるようになり、なんとなくの行動指標ができ上がっていきます。たとえ今日は5 A DAYを達成できなかったとしても、明日の食事で調整すればよいのです。

    幸いにも、料理がまだまだ家庭の中心にある日本。野菜は肉や魚、乳製品とも相性がよく、料理に取り入れやすい素材です。野菜を豊富に使った短時間クッキングレシピも簡単に手に入り、新鮮な野菜を素敵に調理するレストランもたくさんあります。手軽に購入できるデリ(中食)も増えてきました。「野菜料理をつくってみる」「外食時に頼んでみる」「買ってみる」など、できることからトライすればよいのです。

    また、当団体が提供する食育教室に参加した子どもたちは、元気に「1日5皿、ワン、ツー、スリー……」と答えてくれます。大人も子どもたちに負けてはいられませんね! 5 A DAYを活用したダイエット本、レシピ集、料理教室、野菜が豊富な健康弁当、手軽な価格のデリなど、5 A DAYをいかようにもアレンジいただき、今後の活性化を願っております。

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